令和8年3月議会 一般質問の概要
本定例会の一般質問では、八谷市政の実質的なスタートとなる「第3期長期総合計画」と「令和8年度予算」の方向性について活発な議論が交わされました。特に、他自治体への比較優位確立を目指す新たな成長戦略である「5つのリーディングプロジェクト(PEACE-full)」の進め方や実現性、硬直化する財政状況下での事業の「選択と集中」、農林業の「基盤産業化」に向けた攻めと守りの両輪の施策、そして人口減少に適応するための「庄原版コンパクト+ネットワーク」や官民共創によるまちづくりが主要な論点となりました。
各議員ごとの議論の概要
【代表質問】
-
持続可能な財政運営: 経常収支比率の高止まりや財政調整基金の減少を懸念し、長期総合計画の実効性を担保するため、財政運営プランに基づく目標設定と事業の「選択と集中」を求めました。
-
組織力と職員体制: 退職者の増加や技術・専門職の不足を指摘し、PEACE-fullを推進するためには兼務による職員の負担増を避け、専任的プロジェクト体制や外部人材の積極的活用が必要であると提案しました。
-
施政方針・予算とPEACE-full: 八谷市政の実質的スタートとしての市長のリーダーシップと、PEACE-fullに込められた思いや推進体制について確認しました。
-
一次産業の再生: 農業(攻める農業と守る農業)、畜産(比婆牛ブランド・酪農業)、林業の振興について質問し、市長の考える基盤産業化の将来像を問いました。
-
移住定住・地域公共交通: 学校法人の開校による「教育移住」の好機を生かす支援策や、JR芸備線の再構築協議を含めた持続可能な地域公共交通の確保を訴えました。
-
財政健全化との両立: 予算編成方針の「ビルド&スクラップ」の実効性を問い、将来の基金激減予測に対する対応と、市民への財政状況の丁寧な説明を求めました。
-
庄原版まちづくり: 立地適正化計画の集約方針と相反する可能性のある「庄原版コンパクト+ネットワーク」について、都市計画区域外の地域拠点におけるビジョンづくりを問いました。
-
食糧とエネルギー自給: 過去のバイオマス事業の失敗の教訓を踏まえ、調査委託にあたっては実現可能性や透明性の確保、客観的な判断基準が必要であると強調しました。
-
リーディングプロジェクト: 5つのプロジェクトに対する市長の強い思いや、中長期的な視点での事業進捗管理、理念と違う結果になった場合のPDCAの運用について確認しました。
-
農業の次世代継承: 戦略型成長農業に加え、第2種兼業農家や小規模農家(自給的農家)も重要な担い手と位置づけ、支援(地域承継型農業支援事業)を行うことの重要性を訴えました。
-
森林境界明確化事業: リモートセンシングを活用した境界明確化の計画(令和12年に年間1500ha)の費用対効果や、地籍調査との連携について見解を求めました。
【個人質問】
-
観光振興: 観光消費額増加のため、大規模イベント誘致等を担う官民構成の中核組織(コンソーシアム)の設立や、道の駅など老朽化した交流拠点施設の新たな魅力創出を提案しました。
-
地域課題の解決と支所の役割: コンパクト+ネットワークの推進において、支所が地域住民との合意形成の要となることから、本庁との連携体制強化と、支所の予算確保を含めた「官民共創」のあり方を求めました。
-
まちづくりと競争: まちづくりにおいて他自治体との過度な「競争」ではなく、市民の「ウェルビーイング(満足度)」を高めることが結果的に優位性につながると指摘し、市長の認識を確認しました。
-
食糧とエネルギー自給: 過去のバイオマス事業の教訓から、バイオマス発電・小水力発電について市長の具体的なイメージと徹底的な事前調査を求めました。
-
市民意見の聴取: 計画策定を外部委託する際にも、従来の方法にとらわれず、幅広く徹底的な市民意見の聴取を行う仕組みの構築を要望しました。
-
リーディングプロジェクト: 単なる計画策定で終わらせず市民が成果を実感できる道筋を示すこと、また外部委託終了後に市の財産としてノウハウが残る「出口設計」の重要性を指摘しました。
-
市民の力を生かす仕組みづくり: 若者世代とシニア世代が深い部分でまちづくりに協働できる場の設計や、行政主導から市民参画型の「官民共創」へと市政運営を転換することを求めました。
-
施政方針と物価高対策: 未来への投資を評価しつつ、物価高に苦しむ市民への中学校給食費負担軽減を評価し、国の重点支援地方交付金の迅速かつ効果的な活用を求めました。
-
農林業の将来像と人口減少: 家族農業や小規模農家への支援を評価するとともに、自伐型林業や広葉樹の活用を提案しました。また、人口減少対策については、長期的な視点だけでなく短期的な定住目標を持つべきだと主張しました。
-
国民健康保険: 県の広域化に伴う保険料の統一と負担増に対し、国への負担割合引き上げを市長会等を通じて強く要望し続けるよう求めました。