2026年6月定例会で、國利知史議員(ネクスト)は「JR芸備線の維持存続に向けた本市の取り組み」について質問しました。再構築協議会の設置から3年目、今年11月に方針案が提示される最終局面を前に、「存続への強い意思」と「あらゆる方法の検討」を市に求めました。上下分離・第3セクター・まちづくり会社との連携など新たな選択肢も提示し、コンパクトシティ計画との整合を主張の根拠として活用することも提案しました。市長は「存続に向けてあらゆる方法を検討する」と明言。11月の方針案提示に向け、庄原市の踏み込んだ主張が問われています。
JR西日本の要請により2024年1月、芸備線備後庄原駅〜備中神代駅間について今後の方向性を議論する再構築協議会が設置された。設置から3年目の令和8年6月時点で、幹事会9回・協議会6回の計15回が開催されている。2025年には実証事業A(臨時列車増便・2次交通運行・観光ツアー等)が実施され、2026年6月からは実証事業B(バス転換の可能性を探る日常利用向け実証)が実施中。11月には実証事業の結果を踏まえた「最適な交通モードの判断案」が正式提示される予定。
本市は協議会において、利用者数・収支といった定量的指標だけでなく、地域の移動手段としての役割・観光交流の促進・地域の魅力向上・沿線地域の活力維持といった定性的な価値も十分考慮すべきと主張している。日程を意識した拙速な方針決定を避けるよう事務局に繰り返し求めている。広報紙での議論状況の継続的な周知・座談会等での市民説明も実施中。市民部長が幹事会でコンパクトシティプラスネットワーク(庄原・西城・東城の各拠点機能と交通機関のあり方)を説明済み。再構築方針の記載イメージには「各自治体のまちづくりとの整合性」が盛り込まれている。
実証事業Aの結果(第6回協議会・2026年3月25日報告):恒久的に継続した場合、費用8.3億円に対して定量的価値は4.3億円(約半分)。来客者の多くが乗車自体を目的としており沿線での消費が伸びていないことが課題として判明した。
議員は自身が肘の怪我で車を運転できなくなった体験を紹介。「東城→新見(芸備線)→倉敷(伯備線)→新倉敷(山陽本線)」という乗継が想像以上にスムーズで体力的にも楽だったと指摘。岡山からは新幹線・瀬戸大橋線への乗換も可能で、「まだまだ知らない使い方がたくさんある」と問題提起した。芸備線がきっかけで庄原市に移住してきた方が実在すること、関東の方が移住を検討していることも紹介した。廃線後に都市としての知名度・活力を失った自治体の実例に言及した。芸備線沿線議員連絡協議会でセミナー・勉強会・国県への要望活動を実施してきた。
【JRと自治体の平行線状態への問題提起】議員が「これまでの議論はJR西日本と自治体が平行線をたどり、交わることがない議論が続いてきた」と問題を指摘。「発想を変え、JR西日本と自治体が協力して鉄道を核とした中山間地域の課題解決をするという方向性も考えるべき」「まちづくり会社を立ち上げ庄原市を活性化させていく協働の形も議論が必要では」と新たなアプローチを提案した。地域交通課長は「JR西日本は地域と共にやっていくという意思を表明している。現在具体的な協議は行っていないが、今後議論の進捗によっては庁内横断的に連携できる施策を検討することになろうかと思う」と応じた。
【市長への「覚悟」を問う最終質問】議員が「財政措置が発生するような新しい取り組みを議論するならば市長の決断が必要。市民も市長がどういう思いで芸備線を残そうとしているのか知りたいと言っている。思いと覚悟を聞かせてほしい」と直接迫った場面が最大のハイライト。市長は「存続に向けてこれまで同様強い意思を持って取り組んでいく」と答えたが、財政措置を伴う具体的な約束や新たな手法への言及はなかった。