堀内議員の質問

20266月定例会で、堀内富夫議員(さとやま未来クラブ)は「周遊滞在型観光戦略の推進」について質問しました。是枝裕和監督の映画『箱の中の羊』ロケ地として西城町が注目を集める中、一過性で終わらせない仕組みと比婆山エリアの目玉化を第3期計画に明確に位置づけるよう求めました。「かさべるで」のネット予約導入や地域コンシェルジュの育成も提案。しかし市は「第3期観光振興計画(令和8年度中策定)で対応する」との回答を繰り返しました。映画ブームを活かせるか、計画の中身が問われています。



🌿 周遊滞在型観光戦略
令和8年(2026年)6月定例会 一般質問

市民が誇れる観光資源を面でつなぐ
周遊滞在型観光戦略の推進について

👤 質問議員:堀内富夫 🏛 会派:さとやま未来クラブ 📋 小項目4点
🏛 市の現状と取り組み
  • 令和8年度リーディングプロジェクト:観光の基盤産業化の推進
  • 第3期観光振興計画+観光消費額増加戦略を令和8年度中に策定中
  • 吾妻山ロッジ解体進行中(比婆道後帝釈国定公園=県所管)
  • 庄原DMO:ローカルガイドツアーを実施するも新ガイド獲得には至らず
  • モンベルとの提携あり(山岳アウトドア方面に注力)
  • 国:第5次観光立国推進基本計画(令和7年3月閣議決定)と連動
📊 議員が提示した現場の問題意識
  • 映画『箱の中の羊』(是枝裕和監督・カンヌ出品)で熊野の大トチが世界的注目
  • 「旬のブームで終わらせず再訪・周遊につなぐ仕組み」が必要
  • 吾妻山ロッジ解体→仮設トイレに苦情発生中・拠点消失への危惧
  • かさべるで(比婆山最寄り宿泊施設):現在も電話予約のみ
  • 観光動線が見えづらい:各地域をどう起点にどうつなぐかが不明確
  • 専門家(伊藤先生)の存在や地域の知識継承が危機的状況にある
🎯 今回の議論のポイント
🎬
ブームを継続的な観光資源へ転換できるか
世界的な注目を集める映画をきっかけに熊野の大トチへの来訪が増えることが予想されるが、一過性のブームで終わらせず第3期計画の「面で繋ぐ」戦略にどう組み込むかが問われた。
🏔
吾妻山ロッジ解体後の拠点機能をどう確保するか
解体により山の拠点が消える。市は「山小屋+水洗トイレ」を県に要望する方針だが、登山アウトドア客の宿泊・滞在を支える周遊設計までは具体像が示されていない。
🧭
「地域に会える人」がいるかどうかが庄原観光の鍵
プロのガイドより先に、シビックプライドを持ち副業で少し収入を得られるコンシェルジュ的人材が各地域に1人いれば、それが最大の観光資産になる。第3期計画でどこまで踏み込めるか。
🎬 小項目1 映画『箱の中の羊』と熊野の大トチの活用
是枝裕和監督・カンヌ国際映画祭出品作 西城町・国指定天然記念物
💬 堀内富夫 議員 ── 映画を活かした市民の誇り醸成と保護啓発を
映画『箱の中の羊』(5月29日公開)で熊野の大トチが世界的に注目される。来訪者増加に伴う天然記念物の保護・安全確保・住民配慮が必要。単なる観光PRにとどまらず、上映会・ロケ地紹介・保護啓発・専門家との連携など市としてどのような支援が可能か。
🏛 八谷市長
是枝監督が度々大トチに言及しており今後も注目が続く。文化財保護法に基づく保護対策を適切に実施中。HP内容をリニューアル済み。広島フィルムコミッションと連携し巡回パネル展を開催予定。市民に向けても「市内の資源がこのように取り上げられている」ことを伝え、愛着や誇りの醸成につなげる機会にしたい。
HP リニューアル済み・パネル展開催予定
💬 堀内富夫 議員 ── 庄原での上映会と再訪につながる仕組みを
映画は「旬のもの」でいずれブームは去る。1度来た方が「また庄原に来たい」と思う再訪意欲につながる施策を考えているか。また庄原での上映会の可能性は。
🏛 観光振興課長 / 生涯学習課長
【観光振興課長】一過性とならないよう、今年度策定中の観光振興計画で「面で繋ぐ取り組み」を設計し、観光資源を磨き上げて再訪意欲をかき立てるものに仕上げていく。
【生涯学習課長】庄原市民会館での上映を行えるよう、現在フィルムコミッション及びプロダクションと調整中。
市民会館での上映会を調整中(決定ではなく進行中)
💬 堀内富夫 議員 ── 専門家(伊藤先生)の活躍と知識継承の危機
撮影に際して植物・樹木の専門家・伊藤先生が尽力されたと伺っている。市内に専門家がいるということ自体も「庄原の財産」として発信してほしい。また少子高齢化の中で「昔の価値を知っている人」がいなくなる前に、知識の継承・学習機会を設けられないか。
🏛 生涯学習課長
専門家のアピールについては「そのようなところにも光を当てることを考えていきたい」。知識の継承については文化財講演会など機会を捉えて実施していく。「なかなか難しいかとは思うが、色々な場面でそういうことを行ってまいりたい」。
専門家アピール・知識継承ともに「検討・工夫していく」段階
🏔 小項目2 比婆山連峰エリアの一体的活用と宿泊予約デジタル化
比婆道後帝釈国定公園(県所管) モンベル提携 かさべるで
💬 堀内富夫 議員 ── 比婆山連峰を周遊滞在の拠点として設計を
吾妻山ロッジの解体で拠点機能が低下した印象があるが、比婆山の魅力は失われていない。登山・自然体験から宿泊・飲食・物産・周辺観光へと続く周遊滞在の拠点として一体的に設計する考えがあるか。
🏛 八谷市長
比婆山連峰は初心者〜上級者まで楽しめ、希少な山野草・神話・たたら製鉄の歴史など魅力あふれる山。ただし「山単体では消費・交流活動を必ずしも伴わない」ため、周遊の仕掛けが必要。第3期観光振興計画の策定の中でニーズ調査・マーケティング分析を実施し、一体の周遊設計を具体的に検討する。県・地元との協議も並行して進める。
第3期計画の策定過程で検討予定(現時点では具体像なし)
注目場面 ― 仮設トイレへの苦情発生・かさべるでのネット予約デジタル化を問う
💬 堀内富夫 議員 ── ロッジ跡地の規模感・かさべるでのネット予約化を求める
今でも仮設トイレへの苦情が出ている。跡地にどの程度の施設を置くか市のビジョンを示してほしい。また比婆山最寄りのかさべるでは現在電話予約のみ。登山・アウトドア客を取り込むにはネット検索からネット予約ができる「今風の仕組み」が必要ではないか。
🏛 観光振興課長
【跡地施設】山小屋・避難小屋的なものと水洗トイレを「登山に来た方が困らない程度の施設」として県に要望していく方針。
【ネット予約】「導入にあたっては費用や維持管理経費も考えないといけない。諸課題を整理し、課題や効果を検証しながら研究をしてまいりたい」。
ネット予約の導入は「研究する」段階 決定ではない
🧭 小項目3 地域コンシェルジュの発掘・育成と観光動線の設計
副業収入+シビックプライドで「地域の顔」を育てる
💬 堀内富夫 議員 ── プロのガイドより先に「地域で会える人」を
「コンシェルジュ」の語源はフランスの巡礼者案内。専門職ガイドではなく、その地に根ざした人が「ちょっとした案内や歴史を話す」程度でいい。副業として少しでも収入が得られる仕組みと、シビックプライドの醸成で「外から人が来たら紹介したい」という意欲を持った担い手を発掘・育成できないか。
🏛 八谷市長 / 観光振興課長
【市長】第2期計画のローカルガイドツアーは好評だったが新ガイドの獲得に至らなかった。要因は「需要が限られ安定した報酬が得られないため活躍イメージが湧かない」こと。第3期計画で発掘・育成の方向性を改めて検討する。
【課長】ボランティア的な方の出現は「なかなか難しい」。副業として安定して収入が得られる環境整備で持続可能な担い手を作ることを目指す。シビックプライドを持った担い手の発掘にも今後取り組む。
第3期計画で具体的な活躍場面を想定しながら発掘・育成策を検討
💬 堀内富夫 議員 ── 各地域の「動線設計」がホームページから見えない
庄原市は合併20周年でも旧1市6町の個性が強い。DMOのHPを見ても各地域ごとのページはあるが、「どこを起点にどう行くのか」という動線が見えづらい。各地域に焦点を合わせた動線設計の構築は可能か。
🏛 観光振興課長
第3期振興計画の策定の中で各地域の資源を磨き上げ、それを繋いでいく形のものを作っていく。今年度の計画の中でそういった仕組みづくりをやっていく予定。
動線設計は第3期計画に盛り込む方針
🌏 小項目4 観光の基盤産業化に向けた方向性と戦略
「人とつながれる庄原」体験価値を核に 国の第5次観光立国推進基本計画と連動
💬 堀内富夫 議員 ── 「人とつながれる庄原」を観光の核に据えよ
地域内消費循環の仕組みの構築が必要。国の地域未来投資戦略と方向性が重なる。第3期計画では自然環境・登山・アウトドア・飲食・物産・住民連携・デジタル整備を一体設計してほしい。単に景色を訪れるだけでなく、地域の人と出会い暮らしや文化に触れることが本市最大の体験価値になる。この「人とつながれる庄原」を核に据えた戦略を。
🏛 八谷市長
「地域にしかない資源を掘り下げることで他にはない価値を生み出すことが特に重要」。地域に連綿と受け継がれてきた暮らしの知恵・文化・景観・今生きる人々こそが「ここにしかない価値を生み出す源泉」。資源を組み合わせた事業展開と人との出会いを体験価値とすることは「大切な考え方」。第5次観光立国推進基本計画(令和7年3月閣議決定)と連動し積極的な観光客誘致に取り組む。
「人こそが価値の源泉」という考え方を共有・第3期計画に反映へ
📋 最終構図のまとめ
映画活用
HP刷新・パネル展実施済み。市民会館での上映会を調整中。「一過性で終わらせない」ための面展開は第3期計画に委ねられた。
比婆山エリア
跡地は山小屋+水洗トイレを県に要望する方針。宿泊施設のネット予約化は「研究する」段階。周遊拠点設計は第3期計画次第。
コンシェルジュ
ボランティア的人材の出現は「なかなか難しい」が副業収入+シビックプライドで担い手発掘を目指す。第3期計画で具体設計へ。
全体戦略
鍵は第3期観光振興計画(令和8年度中策定)。「人とつながれる庄原」体験価値を核に、4小項目すべての施策を一体化させることが求められる。
📅 今後の重大スケジュール
令和8年(2026年)調整中
映画『箱の中の羊』の庄原市民会館上映会(フィルムコミッション・プロダクションと調整中)
令和8年度中 ★最大の注目★
第3期観光振興計画+観光消費額増加戦略の策定完了。映画活用・比婆山活用・コンシェルジュ・動線設計・宿泊デジタル化すべての施策がここに集約される。
吾妻山ロッジ跡地(随時・県と協議)
山小屋・水洗トイレの設置要望。「どのようなお客さんが来るのか」の視点で市としての要件整理が必要。
かさべるで ネット予約(今後・要継続確認)
費用・維持管理の諸課題整理のうえ「研究する」段階。次回以降の定例会での進捗確認が見込まれる。
➕ さらに詳しい背景や調査結果(詳細レポート)を見る
【対象議会】令和8年(2026年)6月定例会 一般質問
【議題】市民が誇れる観光資源を面でつなぐ周遊滞在型観光戦略の推進について
【質問議員】堀内富夫(さとやま未来クラブ)
1. 議論の前提となる市の現状と取り組み

令和8年度のリーディングプロジェクトとして「観光の基盤産業化の推進」が掲げられ、第3期観光振興計画と観光消費額増加戦略が令和8年度中に策定される予定。映画『箱の中の羊』(是枝裕和監督・カンヌ国際映画祭出品)は令和8年5月29日に全国ロードショー。昨年10月に西城町の熊野の大トチ(国指定天然記念物)で撮影。市はHPをリニューアルし、広島フィルムコミッションと連携した巡回パネル展を実施予定。比婆山連峰はモンベルとの提携あり、比婆道後帝釈国定公園(県所管)内にある。吾妻山ロッジは現在解体中で仮設トイレを設置中(苦情発生中)。かさべるで(比婆山近くの宿泊施設)は合宿利用が中心で電話予約のみ。第2期計画でローカルガイドツアーを庄原DMOが実施し好評だったが新ガイドの獲得には至らなかった。国の第5次観光立国推進基本計画(令和7年3月閣議決定)では観光産業強靭化・関係人口創出・観光DX・地方誘客促進が重点。

2. 議員が提示した現場の現状と調査結果

映画は「旬のもの」でいずれブームは去るとして、来訪者の再訪意欲と周遊につながる仕組みが不可欠だと指摘した。撮影に際して植物・樹木の専門家・伊藤先生が尽力したことを紹介し、「庄原市に在住する専門家がいること自体も観光資源」として発信すべきと提案した。谷口議員が取り上げた「昔の価値を知っている人がだんだんいなくなる」という問題と共通する知識継承の危機感を示した。吾妻山ロッジ解体により仮設トイレに苦情が発生していることを具体的に報告。コンシェルジュについて「語源はフランスの巡礼者案内」と示し、専門職ではなく地域に根ざした「ちょっとした案内ができる人」を想定して提案した。庄原市は合併20周年を経ても旧1市6町の個性が根強く残り、DMOのHPでは各地域へのアクセス動線が見えにくいと指摘した。

3. 議員の質問と市への訴えの要点
  • 映画ブームを一過性で終わらせず再訪・周遊につなぐ仕組みを第3期計画に組み込むこと
  • 庄原市民会館での上映会の実現
  • 専門家(伊藤先生等)を「人的資源」として発信・知識継承の学習機会の設置
  • 比婆山連峰エリアを庄原市観光の目玉として第3期計画に明確に位置づけること
  • ロッジ跡地の施設規模・設計についての市としてのビジョン策定と県への要望
  • かさべるでのネット予約導入(観光客取り込みに不可欠なデジタル化)
  • 副業収入+シビックプライドで地域コンシェルジュを発掘・育成する設計
  • 各地域を起点とした観光動線設計の構築(DMO・HPの改善)
  • 「人とつながれる庄原」体験価値を核に据えた観光基盤産業化の方向性
4. 議論が白熱した場面(重要)

【かさべるでのネット予約デジタル化を問う場面】「登山の誘客をするのであれば、ネット検索で引っかかってネット予約ができる今風の仕方が必要」と明確に要求した。観光振興課長は「費用や維持管理経費も考えないといけない。諸課題を整理し、課題や効果を検証しながら研究をしてまいりたい」と応じるにとどまった。議員はその後「手法に関しては吉川議員が質問してくれると思うのでそこに回す」と他議員への連携を示しながら次の質問に進んだ。

【コンシェルジュ発掘の難しさへの踏み込み】「ボランティア的な方がたくさん出てくればよいが、現状ではなかなか難しい」という率直な回答に対し、議員は「副業として少しでも収入が得られる状況を設計すれば、少しはやってみようかという方も出てくる」と具体的な解決策を示した。さらにシビックプライドの醸成という非金銭的動機を組み合わせることで「やってくれよと言われる前に自分から紹介したい」という人材を育てる発想を提示した。観光振興課長は「そういった方を今後発掘していくようにいきたい」と応じた。

5. 市の答弁と今後の方向性 ─ 結論
【映画・天然記念物活用】
HP刷新・パネル展は実施中。上映会は市民会館で調整中(未決定)。専門家の発信・知識継承は「考えていきたい」にとどまる。
【比婆山エリア・宿泊デジタル化】
跡地施設は山小屋+水洗トイレを県に要望する方針。ネット予約導入は「研究する」段階で決定なし。周遊設計は第3期計画に委ねられた。
【コンシェルジュ・動線設計】
副業収入+シビックプライドによる担い手発掘を第3期計画で目指す。動線設計も第3期計画に盛り込む予定。
【最終的な市のスタンス】
「地域にしかない資源」「地域に今生きる人々こそが価値の源泉」という方向性は市長・議員間で共有された。しかし4小項目すべての具体的な施策は令和8年度中に策定される第3期観光振興計画に収束しており、内容の充実度が問われる。
ウェルセレクション庄原 〜選択と決断が未来を創る〜

一般質問の全容はこちらから

ダウンロード
一般質問質疑応答
文字起しをした詳細なデータです。
horiuchi_kanko_202606_transcript.pdf
PDFファイル 143.5 KB

議会動画(一次情報)


友だち追加

Well - Selection's Policy

●私たちは庄原市民が自分の思考や信念に基づいてより良い選択をすることを支援します。

●特定のイデオロギーや個人を正当な理由なく忌避または支持することはいたしません。

●私たちは個人による任意団体であり、庄原市行政や議会、またその公人からの支援を受けていません。

Well - Selection 庄原

 

[email protected]