2026年6月定例会で、近藤久子議員(市民の会)は「孤独孤立対策・田園文化センター・郵便局連携」の3テーマで質問しました。孤独孤立対策では令和8年度事業化予定の重層的支援体制について「誰が動くのか」という役割分担の明確化を求め、支援者同士が困難を分かち合える場の設置も提案しました。田園文化センターについては借地買取り・駐車場確保を繰り返し要求しましたが、市の答弁は「検討中」「詰めていきたい」が多く、具体的な体制像は示されませんでした。孤独を抱える市民に届く支援の仕組みが令和8年度中にどこまで具体化されるかが問われています。
【孤独孤立対策】令和6年4月1日、孤独・孤立対策推進法が施行された。令和6年6月定例会では地域協議会の設置について質問があり、市は「先進事例を研究し、令和8年度に重層的支援体制整備事業を事業化したい」と答弁していた。現在、庁内では係長を中心とするワーキングと管理職会議を設置し情報共有を図っている。また学校でも家庭でもない多様な居場所として、社会福祉協議会に委託しサポートルーム「ひなたぼっこ」を設置済み。家庭児童相談員による希望者への家庭訪問も実施している。1人暮らし高齢者等巡回相談員の連絡協議会は、庄原・西城・口和・比和・総領で設立済み、高野は令和8年9月に設立予定、東城も前向きに検討中。庄原「いきかたノート」は平成30年に作成・令和7年に改定済みで、緊急連絡先と施設・人の連絡先を記載する欄がある。地域では民生・児童委員、老人クラブ、郵便局・生協・移動販売事業者による見守りが行われている。
【田園文化センター】田園文化センターは平成元年建設・築37年。鉄筋コンクリートの法定耐用年数は47年(平成10年改正)のため、残り10年となる。総事業費5億363万7,000円、床面積1,200㎡。借地で運営しており、地権者の意向・移転場所・財政状況から現在に至る。借地料は継続的な財政負担として公共施設等総合管理計画に課題として位置づけられている。専用駐車場はシルバー人材センター裏に設置。2階キッズスペースは令和6年4月オープン、1日平均15組が利用、トラブル・事故報告なし。
【郵便局連携】庄原市と郵便局の包括協定は令和3年に締結済み。市内に郵便局22箇所(自治振興区も22箇所)のネットワークがある。「第3期庄原市行政経営改革大綱」(現在審議中)に郵便局連携が位置づけられており、6月30日に最終審議、7月7日に市長答申、9月に大綱策定が予定されている。
【孤独孤立の統計データ】令和7年改正の「孤独・孤立対策に関する施策の推進を図るための重点計画」の内容として、小中高生の自殺者数は令和6年に529名(過去最多)、孤立死者数は内閣府の令和6年推計(令和8年4月15日公表)で約2万2,000人、2050年の単身世帯推計は44.3%という数値が示された。
【巡回相談員連絡協議会の研修内容】各地域の連絡協議会は研修費4万円で独自の研修・視察を実施している。庄原:高齢者の健康作り、西城:名立振興区で高齢者の地域交通の課題を視察、口和:高齢者の見守り、総領:高齢者の住宅火災の防止。議員はこれら各地域の知見を全市で共有する重要性を指摘した。また巡回相談員が鍵を預かるほどの信頼関係を築いた事例を紹介し、孤独死を早期に発見するための取り組みの意義を強調した。
【田園文化センターの歴史的経緯】平成元年9月20日の市議会だよりに駐車場問題の質疑が記録されていることを提示。当時の答弁では「ジョイフルの駐車場を協議している」「多目的ホール使用時は市民会館やジョイフルの駐車場を適宜協議する」とされていた。現在もジョイフル側からの「小さな橋」(ひらがな表記)が存在し、駐車場として活用できる可能性を指摘した。
【郵便局連携の先進事例】総務省「郵便局の利活用事例集」(令和7年3月)を提示。オンライン診療・薬剤代理業務・買い物支援・水道メーター検針など多様な連携事例が全国各地で実施されていることを紹介。庄原市では無集配地区が多く、農協金融が引き上げる地域もある中で郵便局の役割は大きいと指摘。国が63億円規模の支援を行っていることも紹介した。
孤独孤立対策:
田園文化センター:
郵便局連携:
【田園文化センター駐車場問題での繰り返し追及】生涯学習課長が「利用者の声を聞きながら課題の把握に努める」という答弁を繰り返したのに対し、近藤議員は「駐車場をもっと近くという声が大きい場合には前向きにお考えになるんですか」と直接問い返した。課長が再び「図書館協議会等もございます」と同様の趣旨を答えたため、議員は「もう一度答弁をお願いします」と三度目の答弁を要求。「前向きにお考えいただきたいと、前向きにお考えいただきたいと思うんですけれども」と同じ言葉を二度繰り返して要求を強調した場面が見られた。最終的に議員は「それを信じて待つことにいたします」と締めくくった。
【郵便局連携での事例集の認知確認】近藤議員が「総務省の郵便局の利活用事例集というのをご存知なのか、見たこともないのか、見ようと思うのかどうなんでしょうか」と三択形式で鋭く問いただした。経営戦略課長は「把握して様々な協議を進めている」と回答したが、議員は「答申を待つのもいいかも分かりませんけれども、十分に研究していただきたい」とさらに早期対応を迫った。