2026年6月定例会 総務経営常任委員会(所管事務調査)
持続可能な財政運営プランと歳入確保について
質問委員:総務経営常任委員会委員(松本みのり委員・桜田亮太委員・横路政之委員・谷口隆明委員・副委員長 ほか)
🏛️ 市の現状と取り組み
・令和7年度財政計画を策定・公表済み(計画期間は令和13年度まで)
・歳入の伸び悩みと物価高で今後の収支悪化を推計
・第3期行政経営改革大綱を踏まえ新プラン(仮称)を策定中
・財政調整基金は令和9年度以降毎年取崩しが必要な見込み
・ふるさと納税・ネーミングライツの拡大に着手済み
🔎 委員が示した現場の指摘
・公共施設更新基金が県内他市に比べ極めて少ない(松本委員)
・減債・地域振興基金の積立計画が途中で止まっている(桜田委員)
・基金は令和12〜14年度頃に枯渇する見込み(横路委員)
・総括表に準経常的経費の内訳がない(谷口委員)
・ふるさと納税の実質増収額が不明瞭(副委員長)
① 基金は本当に持つのか
財政調整基金は令和12年度に11億8432万円まで減少する推計。標準財政規模の目安(10〜20%)を下回る見通しで、委員から早期改善を求める声が上がった。
② 公共施設更新基金は「なし」
庄原市は公共施設の更新に備える目的基金を保有していない。市は「検討」段階にとどまり、新設の時期や規模は示されなかった。
③ 歳入確保策は拡大方針も次の一手は不透明
ふるさと納税は1億2000万円を目標に拡大中。一方、ネーミングライツの次期候補施設について執行部は無言となり、具体策は示されなかった。
質問テーマ別Q&A(全7テーマ)を見る (この見出し全体をタップ・クリックすると開閉します)
テーマ① 公共施設更新基金の不足 ——「他市はあるのになぜ庄原にはないのか」
松本みのり委員:公共施設の更新にかかる費用の基金が、県内他市に比べて庄原市は極めて少ない。積み立てを増やす計画はあるか。
執行部:現在、公共施設に対する目的基金は持っていない。積み立ての重要性は認識しているが、財政調整基金を取り崩さないと収支均衡が図れない状況もあり、財政上の課題と調整しながら今後の積み立てについて検討していく。
テーマ② 減債基金・地域振興基金の行方 ——「令和9年度以降が見えない」
桜田亮太委員:減債基金や地域振興基金は令和9年度以降の見込みが示されていない。これは見込みが立たないからこの年で止まっているという理解でよいか。
執行部:減債基金は臨時財政対策債の償還に充てるため各年度の交付税追加交付分を積み立て、翌2年間で取り崩す仕組み。地域振興基金は新市建設計画(令和6年度終了)に基づく事業に充当してきたが、国から将来の活用方針が示されておらず、方針が示され次第検討する。
テーマ③ 基金枯渇と行革大綱 ——「いつ出してくるんか」の押し問答
横路政之委員:基金を取り崩して収支を合わせる状況が続き、12〜14年度頃には基金がなくなる。行革審の答申は補助金等をゼロベースで見直す方針を示している。せめてあと2年で取崩しを止め、その後は少しずつ貯められる構想を持っているか。
執行部:取崩し額をいきなりゼロにするのは非常に難しい。段階的にプランの効果を出し、標準財政規模の10〜20%の範囲内で残高を保てる形でのプラン策定を目指したい。
横路政之委員:令和13年度まで表があるが、そこまでは仕方ないという感覚か、それよりもっと前倒してやりたいのか。
執行部:現在の財政計画にはプランの効果が一切反映されていない。今年度策定して令和9年度以降の予算に反映することで数値は当然改善させる必要がある。13年の数字のままで仕方ないというわけではない。
執行部(委員長の再度の追及に対し):令和9年度当初予算に反映するには秋にはお示ししなければならない。大綱を受けての作業のため急いでしっかり作り込みたい。
テーマ④ 物価高騰への交付税措置 ——「基金を崩さなくて済むのか」
桜田亮太委員:物価対策等でかかった費用は国が交付税で見てくれると聞いたが、それは交付税に反映されているのか。
執行部:令和8年度の普通交付税算定で、価格転嫁分は臨時的経費(地域デジタル社会推進費等)として国全体で1000億円措置されており、庄原市分も算定・措置される見込み。
桜田亮太委員:満額でなくても、基金を崩さずある程度賄える財政措置がされていくということでよいか。
執行部:いくらまでかは算定が難しいが、国も一定の措置を考えており、交付税で措置されてくる。
テーマ⑤ 補助金のスクラップ ——「一律カットはしないなら基準は何か」
委員:令和8年度予算では補助金のスクラップができず、むしろメニューが増えて膨らんだ印象がある。今後スクラップを進めるのか、どこが音頭を取り、どんな基準で見直すのか。
執行部:令和8年度は農業・林業振興等で増額した補助金が多く、下水道事業への繰出金的補助金も大幅増。財政課が中心となって整理するが、第2期プランのような一律%カットは十分な効果が見込めない。補助金要綱は原則3年間の期限付きのため、更新時期を迎えるものから順次検討していく。
谷口隆明委員:総括表に物件費・維持補修費・補助費等の内訳が示されていない。分かるようにした方がよいのでは。
執行部:歳出欄の「その他」に物件費・維持補修費・補助費等を整理している。
テーマ⑥ 地方債残高と人口減少 ——「1人あたりの負担は本当に減るのか」
桜田亮太委員:地方債残高は年度ごとに減っているが、人口1人あたりの残高で見ても、人口が減る中できちんと減っているといえるのか。
執行部:合併以降大幅に減らしてきたが、令和10年度頃までは残高が大きく動かず、令和9年度は一旦増加する推計。既発債と新発債の残高が逆転するのは令和15年頃の見込み。それまでに内容を精査し発行をコントロールしたい。
谷口隆明委員:5月末の出納閉鎖時点で、1月補正時点の基金残高からあまり変わっていないか。
執行部:決算作業中だが、令和7年度末残高は約41億円になる見込み。
テーマ⑦ ふるさと納税とネーミングライツ ——「次の一手」は語られず
副委員長:ふるさと納税は7000万円程度の納税があったが、委託料や返礼品の経費を除くと実質的に庄原市のプラスになっている額はどの程度か。
執行部:返礼品3割以内・経費含め5割以内が制度上の上限のため、入ってきた額のおおむね半分が実質的な歳入になっている。
副委員長:これまでは実質3500万円程度、令和8年度に1億2000万円を目指すなら実質6000万円程度になるという理解でよいか。
執行部:おっしゃっていただいた通りだと考えている。
委員:自主財源を高めたい。ネーミングライツの次の案があれば教えてほしい。
執行部:(回答なく沈黙。委員長が「難しかったですかね」と述べ暫時休憩となった)
📌 議論の最終構図
財政調整基金は令和12年度に11億8432万円まで減少する推計で、公共施設更新基金は現状「ゼロ」。市は基金取崩しの完全な回避は困難としつつ、標準財政規模10〜20%の範囲内での残高維持を目指す方針にとどめた。歳入確保はふるさと納税・ネーミングライツの拡大を進めるが、次の具体策は示されず、新プランの中身は今後の策定作業に委ねられている。
🗓️ 今後のスケジュール
2026年7月7日第3期行政経営改革大綱の答申
2026年7月10日総務経営常任委員会 次回開催(予定)
2026年7月24日神石高原町への行政視察
2026年秋(予定)持続可能な財政運営プラン(仮称)の提示
2027年度当初予算新プランの反映開始(目標)
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【対象議会】2026年6月定例会 総務経営常任委員会(閉会中所管事務調査)
議題:持続可能な財政運営プランと歳入確保について
質問委員:総務経営常任委員会委員(松本みのり委員・桜田亮太委員・横路政之委員・谷口隆明委員・副委員長 ほか)
1. 議論の前提となる市の現状と取り組み
庄原市はすでに「令和7年度庄原市財政計画」を策定し、市ホームページで公表している。同計画は、平成27年度に実質公債費比率が18%を下回ったことや、普通交付税の合併算定替終了への対応として第2期持続可能な財政運営に取り組んできた経緯を踏まえ、第3期長期総合計画の実現に向けた指針として、令和13年度までを計画期間として策定されたものである。

財政課の説明によれば、歳入における一般財源の伸びが見込めない一方、物価や労務単価の上昇により市民サービスに必要な経費の高止まりが見込まれ、財政収支の悪化が推計されている。この状況を受け、現在策定中の第3期行政経営改革大綱を踏まえた新たな「持続可能な財政運営プラン」(仮称)を策定し、財政健全化に取り組むとされた。
項目 内容
財政調整基金取崩し 令和9年度以降、各年度4億7000万円〜5億7500万円程度が必要
財政調整基金残高(令和12年度推計) 11億8432万円(標準財政規模の10〜20%の目安を下回る見込み)
経常収支比率 令和7年度以降98%台で推移(財政力指数0.26)
投資的経費(普通建設事業) 事業費39億円(地方債25億円、一般財源3億5000万円)
令和7年度末基金残高見込み 約41億円
ふるさと納税 現状7000万円程度→令和8年度予算1億2000万円目標
企業版ふるさと納税 年間1000万〜2000万円程度
歳入確保策としては、ふるさと納税の拡大(中間支援事業者の導入)、企業版ふるさと納税の推進、ネーミングライツの活用(令和8年4月から緑水園ホールに株式会社緑新がパートナーとして導入済み、今後複数施設へ拡大予定)が挙げられた。補助金については、原則3年間の期限付きで要綱を整備しており、期限を迎えるものから順次見直しを行う方針が示された。
2. 議員が提示した現場の現状と調査結果
松本みのり委員は、第3期行政経営改革大綱の素案を踏まえ、公共施設の更新にかかる費用を積み立てる基金が県内他市と比較して庄原市は極めて少ない状況にあると指摘した。

桜田亮太委員は、減債基金・地域振興基金の積立計画が令和9年度以降具体的な数値で示されていない点、および地方債残高の推移について、人口減少が進む中で市民1人当たりの負担がどう変化するかを問うた。

横路政之委員は、財政調整基金が令和12〜14年度頃には枯渇する見込みであることを踏まえ、行政経営改革審議会の答申が補助金等をゼロベースで見直す方針を示していることと関連付け、基金を早期に温存できる計画に前倒しできないかを繰り返し質問した。

谷口隆明委員は、5月末の出納閉鎖後の基金残高を確認するとともに、財政計画の総括表において物件費・維持補修費・補助費等の準経常的経費の内訳が示されていない点を指摘した。

副委員長は、ふるさと納税について、返礼品・委託経費(合計5割以内)を差し引いた実質的な市の増収額を確認した。
3. 議員の質問と市への訴えの要点
各委員が共通して求めたのは、(1)財政調整基金の取崩しに歯止めをかけ、標準財政規模の10〜20%の範囲内で残高を維持する具体的な道筋、(2)公共施設更新に備える目的基金の新設、(3)補助金の一律カットではない実効性のある見直し基準、(4)歳入確保策(ふるさと納税・ネーミングライツ)の次の具体策、の4点であった。特に横路委員は、令和13年度までの推計をそのまま追認するのではなく、新たな財政運営プランでより早期の改善を実現するよう強く求めた。
4. 議論が活発になった場面(重要)
横路政之委員は、財政運営プランの策定・公表時期について「いつ出してくるんか」と端的かつ繰り返し追及した。執行部は「令和9年度の当初予算に反映するということになりますと、秋にはお示ししなければいけないのかな」と回答し、大綱の策定を待つ必要があるため作業を急いでいる旨を述べた。

また、副委員長がネーミングライツの次の具体的な候補施設について質問した際、執行部は無言のまま回答をせず、これを受けて委員長が「難しかったですかね」と述べて暫時休憩を宣言する場面があった。次期歳入確保策の具体像が現時点で庁内に用意されていないことを象徴する場面となった。
5. 市の答弁と今後の方向性
2026年6月定例会 産業建設常任委員会(所管事務調査)
今後の所管事務調査テーマの選定及び観光振興について
質問委員:産業建設常任委員会委員(木山義仁委員・福山権二委員・副委員長 ほか)
🏛️ 市の現状と取り組み
・農業振興(第3次計画)の所管事務調査が一区切り、6月定例会で報告予定
・商工観光部で新たな観光事業計画を策定中
・林業は今年度から新マスタープランが始動
・観光振興計画の運営は地域DMOに委ねる流れが強まる
・老朽化した観光施設(温泉・道の駅トイレ等)の改修を検討中
🔎 委員が示した現場の指摘
・市民と語る会で観光資源活用を求める声が多い(木山委員)
・人口減少対策としての産業活性化の方向性が見えない(福山委員)
・林業活性化策(市長公約)の具体化が見えない(福山委員)
・観光振興計画の運営がDMO任せになっていないか懸念(委員)
・住民票人口でなく関係人口・交流人口に注目すべき(委員)
① 農業振興調査はいったん終了
農林振興公社の作業委託推進、手続き簡素化、現場の声の継続聴取の3提言をまとめ、6月定例会で委員長報告し一区切りとする。
② 次期テーマは「観光振興」に収れん
コンパクトシティや支所のあり方は所管外・時期尚早として除外。「観光振興計画および市内観光施設のあり方等について」が次期テーマの軸に。
③ 「市の方向性が見えない」との指摘
福山委員は人口減少対策・林業活性化策について市長の姿勢が不明瞭と繰り返し指摘。明確な結論は示されないまま議論が終了した。
質問テーマ別Q&A(全6テーマ)を見る (この見出し全体をタップ・クリックすると開閉します)
テーマ① 農業振興調査のまとめ報告 ——一区切りへの評価
副委員長:第3次農業振興計画は「戦略型(攻めの農業)」と「地域継承型(守る農業)」の二本立て。農林振興公社の作業委託推進、手続きの簡略化、現場の声の継続聴取の3点を提言としてまとめた。
委員長:この内容で報告書を最終作成し、定例会最終日に委員長報告として報告する。
テーマ② 新テーマの提案 ——観光振興 vs コンパクトシティ
木山義仁委員:市民と語る会で観光資源を生かして観光客を招く策が必要という意見が多い。商工観光部で観光事業計画を策定中と聞くので、これを調査してはどうか。
委員:観光面もぜひやりたい。もう1点、庄原・西城・東城の都市部開発、庄原コンパクトシティ・プラス・ネットワークの計画も見ていきたい。
委員長:コンパクトシティ・プラス・ネットワークはまだそれほど動きがなく、今年度中に成果物が出る段階にはない。高野の温泉施設や東城の道の駅トイレなど、老朽化した商工観光施設のあり方を検討するのも1つの方向性ではないか。
テーマ③ 人口減少と産業活性化を巡る問題提起 ——「市長の方向性がよう見えん」
福山権二委員:市長は活性化したいと言うが方向性がよく分からない。観光の入込数は年間67万人というが、人口を増やそうという話と観光でどんどん人を呼ぼうという話が噛み合っているのか。農業は担い手が増えると簡単に考えていいのか。市長は就任時に林業活性化を公約したが、庄原実業高校への林業科新設構想も含め、その後どう計画したのか見えてこない。
委員長:人口減少下でどう産業を維持・活性化させるかは新しい考え方が要る大きな課題。産業建設常任委員会としては、社会増(関係人口の増加)を狙う方向性を踏まえ、観光面かコンパクトシティのあり方か、何かテーマを持って検討・調査すべきと考える。
福山権二委員:AIが進めば市職員も激減し支所もいらなくなるのではないか。市民と語る会でも「今後の自治のあり方」が繰り返しテーマになる。地域への予算・権限の移譲も進んでいないように見える。
テーマ④ DMOとの連携及び関係人口・交流人口
委員:2期の観光振興計画はだいぶ前に切れており、今新しい取り組みが今年度から始まる。ただ観光の運営は全てDMOに任せる流れになっており、DMOとの連携がしっかり見えない。商工観光課と一緒に協議しながら進めるべきではないか。
委員:住民票の数だけで判断しない方がよく、実際の往来人口は50年前と比べ大きく増えているとの話も聞く。来て見てすぐ帰る観光にとどまらず、関係人口にもっと注目し、来訪者にお金を落としてもらう視点が必要ではないか。
委員長:関係人口の話は進めてよいテーマ。ただし観光というテーマは大きすぎるので、関係人口というキーワードや観光交流施設という切り口など、もう少し深掘りして絞る必要がある。
テーマ⑤ 林業・支所のあり方の所管整理
福山権二委員:林業で公認しようと言っているわけではないが、産業建設常任委員会としてこの情勢をどう見るかは考えるべきではないか。
委員長:林業は今年度からマスタープランがスタートする。その中身を委員会でもんできたわけではないので、まずはマスタープランの内容が充実しているかを注視していくという方向性でよいのではないか。自治振興区は所管がすでに外れており、支所のあり方も総務部局の行政経営改革大綱の範疇になるため、そちらとの連携で情報を得ていく。
テーマ⑥ テーマの絞り込みと最終決定 ——「観光は広すぎる」の押し問答
委員長:「観光振興について」では対象が大きすぎてテーマが絞りにくい。大テーマではなく中テーマに向けた形で、3つくらいの細かいテーマにまとめてはどうか。
福山権二委員:観光と言ってもかなり広い問題で、絞り込むのはなかなか難しい。ここに重点を置いても議論が前に進まないのではないか。
委員:施設のところをまとめてはどうか。市の財政負担も含め、道の駅や主要施設など市の持ち物としてのあり方を調査してはどうか。森林(林業)は新体制で計画が走っている最中なので、この調査からは外してよいのではないか。
委員長:観光振興計画の進捗を農業振興計画のときのように追いかける形で、「観光振興計画および市内観光施設のあり方等について」としてはどうか。関係人口の視点や観光交流施設、市の有形財産の今後のあり方も含めて調査していく。文言は事務局と最終調整し、本会議の所管事務調査の議決で正式決定する。
📌 議論の最終構図
農業振興の調査は一区切りし、次期テーマは「観光振興計画および市内観光施設のあり方等について」に収れんした。都市計画や支所のあり方は所管外・時期尚早として見送られ、林業は注視にとどめる扱いとなった。一方、福山委員が繰り返し指摘した人口減少対策・林業活性化策における市の方向性の不透明さについては、明確な結論が示されないまま議論が終了している。
🗓️ 今後のスケジュール
6月定例会最終日農業振興に関する所管事務調査の委員長報告
今後「観光振興計画および市内観光施設のあり方等について」の文言を事務局と調整
本会議閉会中所管事務調査テーマとして正式決定(議決)
継続「鳥獣被害対策等について」は引き続き調査継続
注視林業マスタープランの進捗を委員会として注視
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【対象議会】2026年6月定例会 産業建設常任委員会(閉会中所管事務調査)
議題:今後の所管事務調査テーマの選定及び観光振興について
質問委員:産業建設常任委員会委員(木山義仁委員・福山権二委員・副委員長 ほか)
1. 議論の前提となる市の現状と取り組み
産業建設常任委員会は、前年度から「農業振興計画の策定および多様な担い手への支援等について」を所管事務調査として調査を進めてきた。令和7年度に第3次農業振興計画が策定されたことや、関連する補助金制度の内容がある程度固まったことを受け、この調査事項は6月定例会での委員長報告をもって一区切りとすることが確認された。

副委員長がまとめた報告書案では、新しい第3次農業振興計画が「戦略型(攻めの農業)」と「地域継承型(守る農業)」の二本立てで構成されている点を一定評価した上で、次の3点を提言としている。
提言項目 内容
1 農林振興公社における作業委託の推進と実効性の確保
2 確実な情報伝達と手続きの簡略化・簡素化
3 現場の声の継続的な聴取
一方、商工観光部では新たな観光事業計画を策定中であること、林業分野では今年度から新たな「マスタープラン」がスタートすることが説明された。観光振興計画については、具体的な運営面を地域DMO(観光地域づくり法人)に委ねる流れが強まっているとの指摘があった。また、高野の温泉施設や東城の道の駅トイレなど、老朽化した観光関連施設について、執行部側で大規模改修の必要性を検討しているとの情報も共有された。
2. 議員が提示した現場の現状と調査結果
木山義仁委員は、市民と語る会など市民との対話の場で、庄原市内の観光資源を有効活用し観光客を呼び込む施策を求める意見が多く出ていると紹介した。

福山権二委員は、観光振興を議論すること自体は重要としつつ、人口減少問題への対応として産業をどう活性化させるかという庄原市(市長)の方向性が見えないと指摘した。具体的には、市長が就任時に公約した林業活性化策(庄原実業高校への林業科新設構想を含む)がその後どのように具体化されたか見えていないとし、農業振興については一定整理されたが、担い手の確保が実際に進むかは楽観できないとの現場感覚を述べた。

別の委員は、前期の観光振興計画がすでに期限切れとなっており、新しい計画づくりが全体的に地域DMOに委ねられる方向にあるため、DMOと商工観光課が一体となって協議していく必要があると指摘した。

さらに別の委員は、住民票人口だけで地域の実態を判断すべきではなく、実際の往来人口(車の交通量等)は数十年前と比べて大きく増加しているとの研修等での知見を紹介し、「関係人口・交流人口」に着目し、来訪者からの経済効果(消費)に注目すべきだとの考えを示した。
3. 議員の質問と市への訴えの要点
委員会は、農業振興調査の終了に伴い、閉会中の継続調査事項として新たなテーマを選定する必要に迫られた。継続中の「鳥獣被害対策等について」に加えるテーマとして、観光振興、都市計画(庄原コンパクトシティ・プラス・ネットワーク)、林業(マスタープランの検証)、支所・自治振興区のあり方など複数の案が出されたが、最終的に所管の範囲や実効性を踏まえて絞り込みが行われた。

委員長は、都市計画(コンパクトシティ・プラス・ネットワーク)については具体的な進展がまだ乏しいこと、支所のあり方は総務部局の行政経営改革大綱の範疇であり産業建設常任委員会の所管から外れること、自治振興区も所管が既に他委員会に移っていることを踏まえ、これらを次期調査テーマの対象から除外する考えを示した。林業についても、マスタープランが今年度始動したばかりであるとして、新規テーマとして掘り下げるのではなく、その進捗を注視する扱いにとどめる方向が確認された。
4. 議論が活発になった場面(重要)
福山権二委員は、人口減少問題を巡り長い発言を行った。定例記者会見で市長が「これからも市の活性化を図りたい」と述べていることについて「何がしたいのかよく分からない」と述べ、観光による交流人口拡大の効果や、AIの進展により将来的に市職員や支所機能が縮小しかねないこと、市民と語る会で「今後の自治のあり方」が繰り返しテーマとなっている現状に言及した。委員長が「なかなか出しにくい感じ、フリーですよ」と発言を促す場面もあり、福山委員はさらに、地域への権限移譲(予算配分の自由度)が進んでいないのではないかとの懸念や、市長が公約した林業活性化策の具体化状況が見えないことへの疑問を重ねて述べた。

テーマの絞り込み段階でも議論が押し問答になった。委員長が「観光振興について」とするには対象が大きすぎるとして、より的を絞った表現を模索したのに対し、福山委員は「観光と言ってもかなり広い問題で、絞り込むのはなかなか難しい」と述べ、テーマを大きく設定せざるを得ないとの立場を崩さなかった。最終的に委員長が、関係人口・観光交流施設・市の有形財産の今後のあり方を組み合わせる形で「観光振興計画および市内観光施設のあり方等について」という文言に収れんさせた。
5. 委員会としての結論と今後の方向性
【結論】:農業振興に関する所管事務調査は6月定例会での委員長報告をもって終了する。次期(閉会中継続)の所管事務調査テーマは、継続中の「鳥獣被害対策等について」に加え、新たに「観光振興計画および市内観光施設のあり方等について」を設定する方向で一致した。
【今後の対応】:テーマの正式な文言は事務局と委員長が調整の上、本会議における所管事務調査の議決で正式決定する。都市計画(コンパクトシティ・プラス・ネットワーク)、支所・自治振興区のあり方、林業(マスタープランの内容そのものの検証)は、いずれも今回のテーマからは除外し、林業マスタープランの進捗については委員会として注視するにとどめる。
【最終的な委員会のスタンス】:産業建設常任委員会は、観光振興を切り口としつつ、関係人口・交流人口の視点やDMOとの連携、老朽化した観光施設(道の駅・温泉施設等)のあり方を絡めて調査する方針で合意したが、人口減少対策全体の方向性や林業活性化策の具体化については、福山委員から市の姿勢が見えにくいとの指摘が出されたまま、明確な結論には至っていない。
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