堀井議員の質問

20266月定例会で、堀井慎一朗議員(市民の会)は「JR芸備線再構築協議会における庄原市の姿勢」と「通学区域広域化に伴う児童生徒の安全確保」について質問しました。広島〜三次間で自治体費用負担の議論が進む中、再構築協議会の方針に波及することへの危惧を示しました。実証事業Aは費用8.3億に対し定量価値4.3億でしたが、市は「定性的価値も含め総合判断する」と表明。欠席児童の安否確認で警察連携の実例があることも確認されました。通学路の未完了対策箇所が毎年20箇所程度残る現状への改善も求め、11月の方針案提示が注目されます。



2026年(令和8年)6月定例会 一般質問

JR芸備線再構築協議会における本市の姿勢及び児童生徒の安全確保について

🚂 質問議員:堀井慎一朗 議員 議席番号 15番・市民の会

テーマ①:再構築協議会の本市姿勢・実証事業評価・費用負担問題・迂回ルートとしての価値
テーマ②:通学安否確認体制・通学路安全対策・貸し切りバスの安全管理・学校統合と移動費用

📋 議論の背景

🚂 芸備線をめぐる協議の現状
  • 実証事業A(昨年度):列車増便・2次交通・イベント連携。費用8.3億円 vs 定量価値4.3億円
  • 実証事業B(今年度9月末まで):庄原市内沿線でのバス代替運行の実証
  • 令和8年11月頃:再構築協議会による再構築方針案の提示予定
  • 三次・安芸高田・広島まちづくり交通協議会:JR西日本が広島〜三次間の機能強化策を提案(R6年5月設立)
  • 行き違い設備新設:1箇所あたり20〜30億円、新型車両1両4.5億円
  • 費用負担案(国交付金活用時):国1/3・JR1/3・自治体1/3
🎒 児童生徒の通学安全
  • 学校統合で通学区域が広域化→スクールバス・路線バス通学が増加
  • 欠席連絡なし→学校から電話→家庭訪問→警察連携(過去に実例あり)
  • 通学路安全プログラム:3年に1度の合同点検(教委・PTA・警察・道路管理者)
  • H47〜R5年度の実績で毎年度20箇所程度の未完了箇所が継続
  • 令和8年5月・福島県の部活動事故を受け、スポーツ庁等から安全確保の通知→本市も再徹底
  • 令和8年度の市道対応箇所は「概ね施工中」

💡 議論のポイント

💸
広島〜三次の費用負担が「特定区間」の議論を左右する
三次・安芸高田・広島協議会が自治体負担を前提とした議論を進めており、再構築協議会の方針に波及する恐れを堀井議員が指摘。庄原市は「JRが負担するのが本来」という立場を維持しつつも「現実的な議論」も認識。
🟡 「総合的に構成員で協議」
📊
実証A「費用>価値」でもバス転換と断定できないのはなぜ
費用8.3億円に対し定量価値4.3億円。しかし市は「定性的価値・地域消費の伸び代・実証Bとの比較が必要」として、この数字だけで結論を出すことに慎重。11月の方針案まで議論が続く。
🟡 「定性的価値を含めて総合判断」
🎒
通学路の未完了箇所が毎年20箇所——優先的な整備を
H47〜R5年度まで未完了箇所が毎年度20箇所前後残り続けている。令和8年度は「概ね施工中」との回答。子どもの安全最優先に予算確保と優先度設定の徹底を求めた。
✅ 令和8年度分は概ね施工中

💬 質疑応答(チャット形式)

🚂 大綱1:芸備線再構築協議会における庄原市の基本姿勢
🗣️ 堀井慎一朗 議員(Q1)
三次・安芸高田・広島まちづくり交通協議会でJR西日本が機能強化策を提案した。本市はどのような体制でこの情報を共有しているか。また広島〜三次間の機能強化が再構築協議会の議論にどう影響するか。さらに、自治体が費用の一部を負担する議論が進んでいることへの危惧もある。
🏛️ 八谷市長 / 市民部長(A1)
芸備線沿線4市の「芸備線対策協議会」を通じて情報を共有。広域観光・地域経済活性化につながるものと認識。費用負担については行き違い設備1箇所20〜30億円、新型車両1両4.5億円が示されており、国交付金活用時は国1/3・JR1/3・自治体1/3の負担となる。市は「JRが負担するのが本来」の立場だが、「現実的な議論も進んでいく」と認識。総合的に構成員で協議していく。
🟡 「JR負担が本来」の立場維持——現実的議論も認識
🗣️ 堀井慎一朗 議員(Q2)
広島〜三次間が高速化されると庄原市民の利便性はどう向上するか。乗り継ぎ改善・接続時間短縮など期待する視点は?また庄原市が広域都市圏に加入したが、まちづくり交通協議会への参加も検討すべきでは?
🏛️ 市民部長(A2)
高速化により三次から短時間で庄原へ来られる便が増え、三次での乗り継ぎなし・直通便が最も理想的。またICOCAなど交通系IC乗車券の全線活用も要望していく。協議会への参加については「2年間の積み重ねへの影響を考慮し慎重に判断する」。芸備線対策協議会・再構築協議会の枠組みで県内4市が連携を強化していく。
🟡 協議会参加は「慎重に判断」
🗣️ 堀井慎一朗 議員(Q3)
実証事業Aは費用8.3億円に対し定量価値4.3億円。実証Bの収支推計もほぼ均衡(若干赤字)。この結果を見るとバス転換への流れに傾くのではないか。どう評価・分析しているか。また11月の方針案に向けた判断基準は?
🏛️ 八谷市長 / 地域交通課長(A3)
「費用4.3億円の価値」は地域消費が伸びなかったことが影響。まだ伸び代はある。実証Bの結果と合わせて鉄道vsバスの経済効果を比較検討する(9月末まで実証中)。11月の方針案に向け、定量的データだけでなく定性的価値・地域の絆・初期費用・運行経費・自治体負担・事業者状況なども踏まえて論点整理を行う。「これだけをもって廃止とはならない」という理解で間違いない。
✅ 定性的価値含む総合判断——実証B結果(9月末)を待つ
🗣️ 堀井慎一朗 議員(Q4)
JRが芸備線を迂回ルートとして想定していないのはなぜ?阪神淡路大震災で自らが新見経由・伯備線で広島に帰った経験を持ち、南海トラフへの備えとして芸備線の存在が不可欠ではないか。観光ルートとしてのインバウンド活用(関西から九州へのルート上の立ち寄り)も国・県に訴えるべきでは?
🏛️ 市民部長(A4)
迂回ルートとして想定しない理由は、10両超の貨物列車が運行できるほどの橋梁強度が現状の芸備線にないため(前日の國利議員への答弁の補足)。鉄道ネットワークは他交通体系と比べ優位性が高い。観光の視認性・インバウンド活用も含め、広島県・国への支援策の拡充要望を続ける。一区間の議論でなく大きな視点で芸備線の価値を訴えていく。
✅ 鉄道ネットワークの優位性を認識・国県への要望継続
🎒 大綱2:通学区域の広域化に伴う児童生徒の安全確保
🗣️ 堀井慎一朗 議員(Q5)
登校時刻になっても連絡なく欠席している場合の安否確認手順は?スクールバスのバス停に児童が現れない場合、学校とバス事業者はどう連携しているか。また過去に連絡がつかなかったケースはあったか。
🏛️ 牧原教育長 / 教育指導課長(A5)
手順:連絡なし欠席→学校から電話→つながらない場合は家庭訪問→それでも確認できなければ警察と連携(過去に実例あり)。スクールバスの欠席は事業者に事前連絡する仕組みを保護者と共有。路線バスは一般客も乗るためバス停では判断できず学校主体で対応。保護者間でのLINE等の相互連絡体制を整備している学校もある。
✅ 過去に警察連携で安否確認した実例あり——体制は整備済み
🗣️ 堀井慎一朗 議員(Q6)
通学路安全プログラムで毎年度20箇所程度の未完了箇所が残り続けている。令和8年度に市が実施予定の箇所について、予算確保はできているか。子どもの通学路安全は最優先事項ではないか。
🏛️ 牧原教育長 / 教育総務課長(A6)
通学路安全プログラムはPDCAサイクルで年1回状況把握を継続。速やかな対応が難しい箇所もあるが、令和8年度の市道関係の対応箇所は建設課確認済みで「概ね施工中」。貸し切りバスの安全確認は基準を満たす事業者を選定。R8年5月の福島県事故後、スポーツ庁等の通知を受け安全確保を再徹底済み。危機管理マニュアルは毎年度確認・更新。
✅ 令和8年度分は概ね施工中——継続的な優先対応が課題

📊 最終構図まとめ

💸
費用負担問題
JR負担が本来
現実的議論も認識
📊
実証A評価
定性的価値含め
9月末実証B後に判断
🚂
ネットワーク価値
国土強靱化・観光
国・県への要望継続
🎒
通学路安全
R8年度分は施工中
予算確保が継続課題

🗓️ 今後のスケジュール

令和8年9月末
実証事業B(庄原市沿線でのバス代替運行)終了。結果のとりまとめと分析が始まる。
令和8年11月頃
再構築協議会による再構築方針案の提示(鉄道継続かバス転換か)。定性的価値も含めた総合的な議論が行われる予定。
継続課題
通学路安全プログラムの未完了箇所の継続整備。3年に1度の合同点検(次回は令和9年度頃予定)。貸し切りバスの安全管理・危機管理マニュアルの年次確認。
➕ さらに詳しい背景や調査結果(詳細レポート)を見る
【対象議会】2026年(令和8年)6月定例会 一般質問
議題:JR芸備線再構築協議会における本市の姿勢及び児童生徒の安全確保について
質問議員:堀井慎一朗(議席番号15番・市民の会)
1. 議論の前提となる市の現状と取り組み

芸備線をめぐっては複数の協議の場が並行して動いている。①三次・安芸高田・広島まちづくり交通協議会(令和6年5月設立)では令和8年4月24日の第5回会議でJR西日本が広島〜三次間の機能強化策(行き違い設備新設・新型車両導入等)を提案した。費用負担は国1/3・JR1/3・自治体1/3が議論されている。②芸備線再構築協議会(特定区間:三次〜備中神代)では実証事業A(令和7年度)が終了し、令和8年度は庄原市内沿線の実証事業B(バス代替運行、9月末まで)を実施中。令和8年11月頃に再構築方針案が提示される予定。③芸備線対策協議会(広島県内4市)は各種協議会の情報を共有する枠組みとして機能している。市は「JR西日本が鉄道を維持していくことが持続可能性が高い」という立場を維持しながら、広域鉄道ネットワークの意義を訴えている。通学安全については、庄原市通学路安全推進会議が策定する通学路交通安全プログラムで3年に1度の合同点検を実施。令和8年5月の福島県の部活動事故を受け、スポーツ庁・文化庁・文部科学省から安全確保の通知があり、市でも再徹底した。

2. 議員が提示した現場の現状と調査結果

堀井議員は三次・安芸高田・広島まちづくり交通協議会の議事録を精読した上で、自治体費用負担の議論が「すでに行われている」状況を指摘し、その流れが再構築協議会の方針形成に波及する危惧を示した。実証事業Aの結果(費用8.3億円 vs 定量価値4.3億円)について、この数字だけを見ると「バス転換止むなし」という空気になっているとし、市の評価・分析の立場を確認した。迂回ルートの議論では、阪神・淡路大震災時に大阪から新見経由・伯備線で広島に帰ってきた自身の経験を引用し、芸備線を失うことのリスクを訴えた。東日本大震災でも日本海ルートで物資が運ばれた事例にも言及した。通学安全については、平成27〜令和5年度の通学路安全プログラム実績を調査し、毎年度20箇所程度の未完了箇所が継続していることを指摘。学校統合により徒歩で行けた地域活動・校外学習がバス移動に変わり、移動機会と予算の必要性が増していることを確認した。

3. 議員の質問と市への訴えの要点

堀井議員が市に求めた内容は次の通りである。①広島〜三次間の費用負担議論が特定区間の再構築協議会に与える影響への見解と、庄原市としての明確なスタンスの維持。②実証事業Aの結果を数字のみで評価せず、地域消費の伸び代・定性的価値も含めた多角的評価の継続。③インバウンドや観光立国政策の観点から芸備線を「一区間の議論」でなく国・県を巻き込んだ大きな枠組みで訴えること。④沿線自治体間の連携を再構築協議会の場だけでなく日常的な複数のテーブルで深めること。⑤通学路の未完了箇所の優先的・継続的な整備と予算確保。⑥学校統合による移動機会増加に対応した校外学習予算の確保(「予算がないから実施できなかった」がないようにすること)。

4. 議論が活発になった場面(重要)

実証事業Aの評価をめぐる場面が最も核心的だった。堀井議員が「これだけ頑張ってもやっぱり赤字だったというような感想を持たれている方も多い」とリアルな市民感覚を示しながら、「どうしてもバス転換に進んでいってしまうのではないか」と迫った。地域交通課長は「そのような理解で間違いないか」という確認質問に「データとファクトに基づいた議論の考えは変わっていない」と答えたが、「ズバっとは答えていただけなかった」と堀井議員が自己評価する場面があった。また、前日の國利議員の答弁(迂回ルートをJRが想定していない)について「なぜか?」と掘り下げ、市民部長から「10両超の貨物列車には橋梁強度が不足している」という具体的説明を引き出したことも重要な場面であった。

5. 市の答弁と今後の方向性

【回答】
芸備線費用負担:「JRが負担するのが本来。現実的な協議も見据えながら総合的に構成員で協議する」。実証A評価:「定量的数値だけでなく定性的価値も含めた総合判断。9月末の実証B結果も踏まえ比較検討する」。11月方針案:「鉄道とバスの経済効果比較・初期費用・運行経費・自治体負担・定性価値等を踏まえた論点整理を行う」。国土強靱化:「鉄道ネットワークの優位性は認識。国・県への支援拡充要望を継続する」。通学路整備:「令和8年度分は概ね施工中。継続的に進捗管理を行う」

【今後の対応】
令和8年9月末に実証Bが終了し、その後に鉄道vsバスの経済効果比較・定性的価値評価を含めた総合分析が行われる。令和8年11月頃に再構築協議会から方針案が提示される。通学路安全については年1回の状況把握とPDCAサイクルを継続し、3年に1度の合同点検を次回も実施する。

【最終的な市のスタンス】
芸備線については「JRが維持するのが本来」という立場を崩さず、定性的価値・地域の絆・国土強靱化の観点を積極的に主張する方針を維持した。一方で費用負担の現実的議論が進んでいることも認識しており、11月の方針案に向けた議論が焦点となる。通学安全については制度・体制の整備は進んでいるものの、通学路の未完了箇所が毎年残る構造的課題への予算配分が引き続き問われる。

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